2009年5月6日水曜日

読書感想文

海堂尊『ジェネラル・ルージャの凱旋』上、下

この作品は、『チーム・バチスタの栄光』シリーズの新作である。正直、面白かった。

大学病院という、高度な医療が駆使される世界の中で展開される政治、人間関係が、描かれている。同時に、今日の日本の医療体制が抱えている問題点も、そうした話の展開に、要所要所で含まれているように思えてならない。

昨今の日本の医療体制は、高齢者の増加と、その結果としての医療費の大幅な増加のために、その持続性に関して、問題視されることが多い。単発的な事件なのか、それとも構造的な問題なのか、さまざまな医療体制の不備の結果としての事件も起きている。

何が問題で、どうすればいいのか???

こうした問題こそが、解決されることを待っているフロンティアのように思えてなりません。

最近、頻繁に考えるのが、偉大な政治家、企業家などの偉人についてです。そして、その時に、いつも考えるのが、田中角栄さんです。今日の日本の経済発展に、彼は大きな貢献をしました。道路を造ったという事実に、彼の功績があるのではなく、道路を造るという仕組みを作ったという点において、彼の功績は評価されるべきでしょう。道路を造る仕組みを、官僚機構との交渉を通して形成した、その先見性は、すごいと思います。その当時の、解決されることを待っていたフロンティアを開拓していったと僕は思います。

どんな時代にも、その時代のフロンティアに関しては、その時代を生きる人々が、見つけ、そして、取り組んでいかなければなりません。ただ、その人の前に、道はなく、道は後ろにできることは確かそうです。だから、自分自身が、フロンティアだと思うことを、いち早く見つけ、それに取り組み挑戦し、続けていくことがいかに大切なことなのか。

「自由」の結果、私たちの前には、多くの選択が広がっている。この選択肢の存在こそが、私たちを苦しめていることも、現実としてあることは否定できない。だけども、僕には、それが非常にわくわくさせられるというところの方が多いのかもしれない。「人間中心主義」という概念があるとすれば、こんにちは、その概念を追及できる、実現することができる、最も、いい時期に思えてならないのである。

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